2021.03.01

  • クリエイター訪問記

イラストを通して大切なメッセージを伝えたい

フリーランスのイラストレーターとして活躍している、さのはるかさん。イラストレーターとは、文字通りイラストを描くことを仕事にしているクリエイターです。独立前はいくつもの会社でイラスト以外の仕事もしてきたさのさんですが、今では子どもの頃からずっと好きだったイラストを多方面に活かして仕事をしています。

イラストレーター・さのはるかさん

子どもの頃から絵を描くことが好きだったさのさんは、16歳でイラストの専門学校に入学し、本格的にイラストの勉強をすることになります。ですが、昔から独学でイラストを描き続けてきたさのさんにとっては、専門学校の授業でさえも少し退屈に感じていたのだとか。それで、学校の先生の勧めもあり、在学中にゲーム制作会社でイラストのアルバイトをすることに。ゲームのキャラやアイテムのイラスト原画を描くなど、16歳ですでに立派にイラストレーターとして活躍していました。それから、他のゲーム会社やweb制作会社などでキャリアを積み、2019年にUSANETとして独立しています。

「当時、ラジオに出演したりしていて、そこで個人事業を始めたばかりの人と出会うことが多かったんですよ。そんなスタートアップの人たちを、イラストを使ったHPや販促ツールでサポートしたいなと思って私も独立することにしたんです」

独立した当時のことをさのさんはそう話します。独立当初はHP制作なども仕事として行っていましたが、今はイラストの仕事だけに専念しています。

 

難解な物事をイラストに置き換えること 

さのさんにとってイラストとは「複雑で難しい情報を分かりやすく伝えるためのもの」だと言います。

「人は情報の8割を視覚から得ているらしくて。それに比べると聴覚で得る情報って微々たるものなんですよ。だから、難しい話や固い話は特に、言葉で聞いても分かりづらいですよね。それを分かりやすいイラストに置き換えるのが私の仕事。複雑で膨大な情報も、イラストなら視覚を通して柔らかく伝えることができます」 

 

だから、さのさんのイラストにはいつも何らかのメッセージが込められています。それは、会社の理念や人の思い。誰かに大切な何かを伝えたいとき、さのさんのイラストがそれを的確に伝えてくれます。そして、そんなさのさんの真骨頂とも言えるのが、“グラフィックレコーディング”です。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、グラフィックレコーディングとはイラストを使った議事録のようなもの。イラストや文字を使い、対話や議論、セミナーなどをリアルタイムで可視化していく技術です。話や議論が展開されるその横で、サラサラと情報が分かりやすくまとめられていきます。 

 

これが完成したグラフィックレコーディングの議事録。そのセミナーなどの振り返りとして用いることができ、またその場にいなかった人でもその概要が掴めるほどに情報が整理されています。

すべてのクリエイティブにおいて、最も大切なのは“誰かに確かに伝わるメッセージがあること”。そういった意味でさのさんのイラストはその最たるものだと言えます。「多くの人に伝えたいことがあるけれど上手く伝えられない」そんな人は、一度さのさんに情報を可視化してもらうといいかもしれません。