2021.10.01

  • クリエイター訪問記

自分の直観を信じたクリエイティブを

今回インタビューさせていただいたクリエイターは、筆による書や、グラフィックデザイン、web制作などマルチに仕事をこなす濱井 空さん。フリーランスのクリエイターには異色の経歴を持つ人が多いですが、濱井さんもまた独特な経歴をお持ちの方です。そんな濱井さんに今回はオンラインでお話を伺いました。

クリエイティブディレクター 濱井 空さん

かつては現在のクリエイター業とは全く違った製造メーカーの大手で働いていたという濱井さん。その会社ではJリーグチームのユニフォームやトレーニングウェアのテキスタイルを作る部署で営業と企画をしていたのだそう。 

「その会社である時期に新規事業のメンバー募集があったんですよ。それで思いつきでそれに手を挙げたら、勤務地が徳島になって、縁もゆかりもなかった徳島に来ることになりました。でもその新規事業の業務がどうも肌に合わなくて、結局退職することになるんです」 

その後、濱井さんは紆余曲折を経てスピリチュアル系の講演会や書籍の出版を行う会社に就職することになります。 

「その会社で精神世界の思想に触れて。全然知らない世界でしたが、ずっと聞いていると腑に落ちる部分もあったわけです。そうしたら、だんだんと自分の生き方はもっと自由でいいんじゃないかと思うようになりました。それでその会社もやめてしまったんです」 

サラリーマンから筆文字のクリエイターへ 

「以前に、とある有名な路上詩人のパフォーマンスを見る機会があって。その人は誰かに対する応援メッセージを詩にして書にしたためるというクリエイターで、『自分も、この方法で人を幸せにできるかも』と思って、同じようなことを始めたんです」 

それはただ単に筆文字が得意だったからという理由ではなく、相手のことをよく理解できる能力があったからだといいます。濱井さんは相手に周波数を合わせることでその人の心の声を読み解くことができるのだそうです。それを濱井さんは「観じる力」だと言います。それからイベントへの出店などで全国様々な地域をまわることになり、多くの人を相手にメッセージを書いてきました。その人の心の声を“観じる”スキルは今でも濱井さんの仕事に生かされています。 

濱井さんはその後、石を使ったハンコ作りやお店のロゴ制作、チラシ制作、HP制作など、自由なクリエイターとして活躍してきました。そんな濱井さんの仕事へのこだわりは『あるがままで対応する』ことだといいます。 

フラットな心で思い浮かんだことを信じる

「例えば、女性はピンクで男性は青色などの植え付けられた概念や、当たり前と思っている価値観に囚われることのないやり方が僕のスタイルです。相手に周波数を合わせて読み取れたものを正直に表現すること。つまり、思考からは生み出されないアイデアの提案です。自分の直観を信じるっていう感じですかね。フラットな無の心で相手を観れば、その人にとって最善のものが思 い浮かんでくると信じています」 

自由に生きると決め、脱サラして今の仕事スタイルにたどり着いた濱井さん。「好きでやっていることだから、稼ぎたいとか競いたいとか賞を取りたいとかっていう欲はな い。自分がロゴなどを手掛けたお店が流行っていればそれでいい」と濱井さんは言います。自由に好きな仕事をしていながらも、その意識は実はクライアント志向。迷いのある企業の方は、濱井さんの直観力をベースにしたクリエイティブを信じてみるといいかもしれません。