「まさかこんなところにクリエイターが!?」と誰もが思うような場所にやってきた今回のクリエイター訪問記。佐那河内村の人が住む範囲ではほぼ頂に近い山の上の古民家に拠点を構えるのは、ノリプロ株式会社の山川さんです。この立地だけで興味をひかれますが、山川さんは一体どんなクリエイターなのでしょうか?
山川さんのオフィスは、佐那河内村の山奥にあるこちらの古民家。すごく田舎のように見えますが、実は徳島市の中心部まで30分程度と、意外に便利な立地なのだそうです。カナダ留学後に東京の制作会社へ就職、そして徳島に帰ってきて佐那河内村で起業と、経歴も個性だらけの山川さん。WEB制作から映像制作、写真撮影までこなすマルチなクリエイターですが、その原点は子どもの頃からやっているスケボーにあるといいます。
「中学くらいから趣味でスケボーをやっていて、当時からスケボーのプレイ映像を撮っていたんですよね。思えばそれがクリエイターとしての原点で、スケボーの映像コンテンツは今ではYouTubeチャンネル(NOLLIESKATEBOARDINGJP)になっています。東京時代に副業として始めたチャンネルですが、好評な動画では180万回再生されています」
その動画は、アニメーションを使った丁寧なスケボーのハウツーもので、山川さんのクリエイターとしての高いスキルがよく分かるコンテンツになっています。少年期から映像に関するスキルやセンスが磨かれていたこともあり、徳島で起業して最初の仕事は佐那河内村の移住PVの制作だったのだそう。
キャリアのスタートこそ映像制作だったものの、現在ではWEB制作が仕事のメインだという山川さん。ただ、そのWEB制作もきっかけはスケボーだったのだとか。
「スケボーのハウツーをまとめたHPを自作したことをきっかけにWEB制作の仕事もやるようになったんですよ。そのスケボーのHPは今でも運用していて、月間40万PVまで成長しています。その運用実績が自分の大きな強みのひとつですね。ただHPを作るだけでなく、いかに運用してサイトを伸ばしていくかという視点でのアドバイスをさせていただいています」
自らの実績に裏付けされたエビデンスがあるからこそ、クライアントに対しては「決してイエスマンにはならない」ことを心がけているという山川さん。
「もちろんクライアントの希望はしっかり伺いますが、自分たちの意見もちゃんと言えるような関係性を作るようにしています。本質的にはクライアントよりも『ユーザーが使いやすい』ということの方が優先されるんです。ユーザビリティを高めることで、結果的にクライアントも満足できるような仕事をしていきたいと思っています」
WEB制作はもちろん、SEO、SNSを使ったHP運用、さらにはロゴデザイン、写真撮影、映像制作まで、クリエイティブの大部分を一社で行えることが山川さんの強みのひとつで、クライアントにとってもそれは大きなメリットになり得ますが、山川さんは今後「クライアントワーク以外のこともやっていきたい」と話します。
「クライアントワークだけじゃなく、完全に自分発信の自社サービスをまた作っていきたいと思っています。なんというか、自分の好きなコンテンツを作っているときが一番充実感があるんですよね。スケボーのときがそうだったように、その自社サービスでの実績を後々クライアントに還元できるような仕組みを作れたらいいなと思います」
クリエイターにとって、特にマーケティング能力が求められるWEB制作においては、成功の実績が何よりの信頼に繋がります。それを自らのコンテンツで実践している山川さん。だからこそ、クライアントワークでは他のクリエイターとは一味違った提案をしてくれるのかもしれません。