2023.07.28

  • クリエイター訪問記

ふとしたときの一瞬の表情を捉える

モデルのメイクアップやCG合成などを用いたアーティスティックなポートレートを得意とするフォトグラファー・茶谷さん。これまで、人物写真を用いた企業広告や商品広告をいくつも手掛けています。今回のクリエイター訪問記は、徳島市昭和町にあるスタジオユニの茶谷さんです。

フォトグラファー・茶谷拓至さん

「子どもの頃、学校の勉強では基本の5教科はあまり得意じゃなくて、美術とかの方が好きで。自分で自由に創造してアイデアを形にする作業が好きだったんですよね」

始めから答えが決まっているものより、自らのイメージを形にする科目の方が好きだったと話す茶谷さんは幼少の頃からすでにクリエイター気質だったのでしょう。それもあり、高校生のときには写真部に入ることになったのだとか。

「元々家業が写真業でしたが、そのときは将来プロのフォトグラファーになろうと明確に決めていたわけではなかったんですよ。まぁなんとなくの気持ちで写真部に入っていたんですが、その写真部で徳島県高校総合文化祭に作品を出してみたら優秀賞をいただけて。それで、全国高校総合文化祭に出ることになったのですが、その経験がプロのフォトグラファーを目指す大きなきっかけになりました」

その後、茶谷さんは大阪芸術大学写真学科に進学し、卒業後には家業であるスタジオユニに入社することになります。

雑誌の撮影で経験を積んだ若手時代

大学では写真の知識を学び、大学の長期休暇中には家業の撮影仕事でアシスタントなどをやっていたという茶谷さんですが、入社時には撮影の実務の経験はほぼなかったといいます。そんな中でフォトグラファーとしての経験を積んでいったのは、タウン情報誌の撮影仕事だったのだそう。

「タウン情報誌は人物撮影から料理撮影まで、いろんなジャンルの撮影があるので、若手時代に経験を積むにはとてもありがたい仕事でした。毎回撮影現場の環境も違いますし、大学の講義では学べない重要な経験を得ることができました。それは今の僕の基礎のひとつになっていると思います」

ふとした一瞬を捉えるポートレート

今でも様々なジャンルの写真撮影を手掛ける茶谷さんですが、中でも得意分野をあげるとすれば、 それはポートレート(人物写真)だといいます。実はスタジオユニでは写真撮影だけでなく、エ ステやメイクなどの美容事業も行っています。そのため、撮影時にはモデルさんのメイクアップか ら一貫してイメージ作りを行うことができるのです。

「人物撮影ではモデルさんの一番良い表情を撮りたいわけなんですが、わざとらしくいっぱい話 しかけて表情を引き出すようなことはしないようにしているんです。それよりも、自然な状態でふ としたときの表情を捉えるようにしています。それに、被写体はプロのモデルさんではない場合が 多いですから、良い表情が出るのって一瞬だけだったりするので。その一瞬を捉える、といった 感じです」

今後はいろんな分野のクリエイターと組んでの作品作りや、3DCGと写真を組み合わせた作品作り にチャレンジしてみたいと話す茶谷さん。これからさらに印象的なポートレートに磨きがかかっ ていくことでしょう。企業広告を依頼すれば、今までとは違ったポートレートを用いたイメージ を提案してくれるはずですよ。