クリエイターと企業のマッチング事例を紹介するこちらのコーナー。第6回目は、WEBデザイナーの山川明訓さんと、秋山商店の秋山雅美さんのマッチング事例です。
徳島県産の杉、徳島の伝統工芸である藍染、大谷焼、ガラス工芸など、徳島に根付く素材や技術を用いた茶道具のセット『茶宝箱(ちゃほうばこ)』。この茶宝箱は、2024年に商品開発をして同年に販売開始されたばかりですが、ニューヨークデザインアワーズのサステナブルデザイン部門で銀賞を受賞するなど、今注目の商品です。
そんな茶宝箱を作ったのが、秋山商店の秋山雅美さん。普段はお祭りなどの屋台出店を生業としている秋山さんですが、コロナ禍でのイベント中止をきっかけに事業多角化の必要性を痛感し、「徳島の伝統工芸を使って、今までにない高価格帯のお土産物を作ろう」と思い立って、この茶宝箱を開発することになったのだそう。
「木工や藍染、大谷焼の職人さんなど、たくさんの方々に協力いただいて茶宝箱を作りました。でも、商品開発をしたのはいいものの、どうやってこの茶宝箱を売っていけばいいか分からなくて。それで、とくしま産業振興機構内にある『徳島県よろず支援拠点』に相談に行っていたんです。そこで、徳島クリエイターズライブラリの冊子を見せてもらったんですよ。そこに載っていたクリエイターさんの中から、一番良いなと思った人に連絡して、茶宝箱のECサイトや商品撮影などを依頼させてもらいました」
その依頼を受けたのが、ノリプロ株式会社の山川明訓さん。山川さんはWEBデザイナーでありながら、写真撮影や映像制作も手掛けるマルチなクリエイターです。今回の依頼では、商品撮影とプロモーション映像、ECサイト、懸垂幕を制作しています。冒頭の商品写真も山川さんの撮影です。
「秋山さんからの依頼は『イメージはおまかせで』ということでしたので、茶宝箱の商品イメージに合わせた画作りをさせていただきました。茶宝箱はかなりの高級品で、商品自体は藍染の暗めの色です。ですので、写真や映像のイメージとしては明るくして、なおかつ高級感が失われないように威厳のある雰囲気での撮影を心掛けました」
イメージ写真やプロモーション映像のロケ地は、徳島城博物館にある茶室。庭園から茶室に入ってくる自然光を生かし、明るいイメージながらも高級感を残し、茶器の質感を表現しています。プロモーション映像は、ECサイト作成サービスBASEをカスタマイズして制作された茶宝箱のHPにて公開中です。
商品写真から、プロモーション映像、ECサイト、そして懸垂幕まで、茶宝箱のプロモーションツールが一式が制作された今回のマッチング事例。徳島クリエイターズライブラリを通じて繋がった山川さんに依頼したことについて、秋山さんはこう話します。
「実は、以前に少しWEB制作について勉強したことがあって、簡単なHPであれば自作することもできるんですよ。でも、今回せっかくなのでプロに依頼してみようと思って山川さんにお願いすることにしました。完成したものを見て、やっぱりお願いして良かったなと改めて思います」
今後、茶宝箱は大阪万博の徳島パビリオンや2025年開業予定の自宅民泊で展示し、世界に向けて販売していくのだそう。2024年に生まれた茶宝箱は今回制作されたプロモーションツールと共に、徳島の文化を背負って、世界へと進んでいくのです。
茶宝箱HPはこちら