2022.10.12

  • マッチング事例

株式会社ハレルヤ × クリエイター 新デザインの商品で新規の売り場と客層を獲得

『徳島クリエイターズライブラリ』を通じて、既にいくつもの企業や自治体等とクリエイターとのマッチングが実現しています。企業や自治体にクリエイターのスキルが加わることで、どのような変化があったのでしょうか?今回ご紹介するのは、グラフィックデザイナーのナカバリヨウコさんと株式会社ハレルヤとのマッチング事例です。

徳島クリエイターズライブラリで ナカバリさんと再会

株式会社ハレルヤといえば、徳島を代表するお菓子メーカー。看板商品『金長まんじゅう』はあまりにも有名です。ですが、その看板商品に負けず劣らずの人気を誇る商品があります。それが約8年前に開発された『プレミアムスィートポテト』です。その『プレミアムスィートポテト』の別バージョンを期間限定で発売しよう、という企画がハレルヤさんの社内で動き出したところから今回のマッチングは生まれました。ただ、ハレルヤの桑渕さん、中尾さんによるとナカバリさんとハレルヤとの取引は過去にもあったのだとか。

「実は8年前に『プレミアムスィートポテト』のパッケージデザインを作ってくれていたのがナカバリさんだったんですよ。その後もパンフレット制作などいろんなデザインをお願いしていたのですが、こちらの担当者が変わったこともあり、しばらくお付き合いがなくなってしまっていたようなんです。私たちはそのことを知らなかったのですが、『プレミアムスィートポテト』の開発当時の資料にナカバリさんの名前があって、それで検索すると徳島クリエイターズライブラリのナカバリさんのページが出てきたんですよ。おかげで、ナカバリさんのような素晴らしいデザイナーと会社として再会することができました」

『プレミアムスィートポテト』の 期間限定バージョン

 

『プレミアムスィートポテト』の期間限定バージョンというのが、『瀬戸内レモン&チーズクリーム』味です。ナカバリさんが手掛けたのは、その商品のパッケージデザイン。デザインのポイントをナカバリさんはこう話します。

「8年前に作らせていただいた『プレミアムスィートポテト』のパッケージデザインは、サツマイモそのものを食べているようなお菓子のイメージを表現するために本物のサツマイモを写真の背景に配置して、ちょっとリッチな感じでデザインしていました。ただ、今回の商品では爽やかさを出したかったので、白場を多めにした上で、レモンの黄色を配色してデザインしました。お菓子の美味しさが一目で伝わるように断面を写真で見せたり、あともちろんシリーズものだということが分かるよう前回のデザインも踏襲しています。既に他社様の制作された個包装のデザインがありましたので、そちらとの統一感も考慮しました」

一方、ハレルヤさん側は、卸売を担当する営業スタッフから、日頃お客さんと直接接している店舗スタッフまで、多くの視点からの意見を取り入れて、ナカバリさんに要望を伝えていったといいます。

「既存の『プレミアムスィートポテト』が人気商品ですので、やっぱりその別バージョンであるということが分かるようなデザインにして欲しい、というのが要望のひとつでしたね。あとは、レモンとチーズの両方を訴求できるデザインというのもポイントでした。ナカバリさんはこちらの話を詳しく聞いてくれるので、伝えやすくて、イメージ通りのものができたと思います」

サービスエリアで新規の売り場を獲得

今回の商品は夏季限定で直売店やサービスエリア等で販売されています。中でも特にサービスエリアでの販売で大きな成果を上げることができたといいます。

「サービスエリアでは通常、自社の商品の売り場を拡大したくても、決まった一定の場所にしか置いてもらえないんですよ。でも、季節限定で設置されるテーマを絞った売り場であれば新しく設置させてもらえる可能性もあって。夏にはレモンをテーマにした売り場が設けられるので、今回の新商品はそこを狙っていたんです。パッケージデザインが完成した今回の商品をサービスエリアに持っていったところ、とても評価していただいて、新しい売り場をゲットすることができました。夏休み時期に新規の売り場を獲得できたのは非常に大きいことです」

新商品は『プレミアムスィートポテト』の既存のファンの人にももちろん売れていますが、売り場を拡大できたことにより、今までは獲得できていなかった人たちも購入してくれるようになったといいます。

結果的に売り場も客層も広げることができた今回のマッチングは大成功だったといえます。『プレミアムスィートポテト』の期間限定商品は冬用としてショコラバージョンも予定しているのだそうです。もちろんパッケージデザインはナカバリさんが担当することになっています。さて、今度はどのようなデザインになるのか。今から楽しみにして発売を待ちましょう。